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パイセン
今回は海運株「川崎汽船(9107)」の株式分割後の株価や配当について徹底解説していきます。
結論から言うと
- 6年ぶりの復配ということもあり現時点では様子見
- 長期投資には不向きの銘柄
というのが個人的な意見です。
なぜ現時点では様子見なのかはこの記事で解説していますので最後まで読んでみて下さい。
パイセン
この推奨はあくまでデータから一個人が分析している為、最終的には自己判断で投資しましょう!
また、少額投資から始めたい方は単元未満株(1株)から投資が出来る「マネックス証券」or「auカブコム証券」がおすすめです。
1.川崎汽船(9107)とは
川崎汽船(9107)とは
日本の大手海運業者で「日本郵船」や「商船三井」と同じく日経平均株価に構成されている銘柄
の一つです。
事業内容は燃料や自動車などを海上運送する
「海運業」を行っています。
2.川崎汽船の株価推移
こちらは川崎汽船の5年週足チャートになるの
ですが、現在の株価は50日移動平均線(緑)に
上値が抑えられた状態で推移しています。
パイセン
11/25 時点の株価は2618円となっているよ!
年初来高値は2707円なので今後は50日移動平均線から上に切り上げることができるかどうかが株価上昇のポイントになりそうです。
日経平均やTOPIXと比較
こちらは川崎汽船と日経平均・TOPIXを比較した
5年チャートになるのですが一時は下回っていた
パフォーマンスも中長期であれば大きくアウト
パフォームしていることがわかります。
中長期投資であれば「買い」
ってこと?
パイセン
単純に「買い」という訳にも
行きません。
海運株は地政学的リスクが非常に
高い為投資判断を誤れば大損失を
被ることになります!
どのくらい投資して良いのかは個々が取れる
リスクの大きさによって異なるので適正リスクで
投資していきましょう。
パイセン
ちなみに私はリスクが高いものに
投資する際ポートフォリオの1〜10%と決めて投資しています!
3.川崎汽船の企業業績
川崎汽船の企業業績のグラフはこちら
こちらは2008年から現在までの「売上高」・「営業利益」・「経常利益」・「純利益」を
まとめたグラフになるのですが、2021年から
業績がV字回復していることがわかります。
パイセン
海運業はコロナ禍やウクライナ戦争によりコンテナ船の利用が増加した為
業績も急激に増加しました!
今後もコロナ禍やウクライナ戦争の長期化が続けばコンテナ船の需要は大きいです。
コンテナ運賃は右肩下がりですが、需要がある限り大幅に減収する可能性は低いことが予想出来ます。
3.1.売上高の推移
2010年3月 | 2011年3月 | 2012年3月 | 2013年3月 | 2014年3月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3年 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 |
8380億3200万円 | 9850億8400万円 | 9723億1000万円 | 1兆1347億円 | 1兆2241億円 | 1兆3524億円 | 1兆2439億円 | 1兆301億円 | 1兆1620億円 | 8367億3100万円 | 7352億8400万円 | 6254億8600万円 | 7569億8300万円 | 予:9200億円 |
こちらは売上高の推移グラフと表になるのですが
2021年3月には6254億8600万円まで落ちた売り上げが2022年3月には2020年3月並みの水準まで回復しています。
また、2023年3月の予想は9200億円と2019年3月の売り上げを超える見込みとなっています。
パイセン
売上高が高いと企業の儲けが高いことを意味します!
3.2.営業利益の推移
2010年3月 | 2011年3月 | 2012年3月 | 2013年3月 | 2014年3月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3年 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 |
-520億7400万 | 586億900万 | -405億6300万 | 148億8600万 | 288億5400万 | 479億8800万 | 94億2700万 | -460億3700万 | 72億1900万 | -247億3600万 | 68億4000万 | -212億8600万 | 176億6300万 | 予:800億 |
こちらは営業利益の推移グラフと表になるのです
が2022年3月の営業利益は176億6300万と
プラ転して2023年3月の予想は800億円と
過去10年間の中で最高益となる予想です。
パイセン
営業利益が伸びてるってことは
本業の海運業が儲かってるってこと
だね!
3.3.経常利益の推移
2010年3月 | 2011年3月 | 2012年3月 | 2013年3月 | 2014年3月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3年 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 |
-662億7200万 | 473億5000万 | -489億5500万 | 285億8900万 | 324億5400万 | 489億8000万 | 33億3800万 | -523億8800万 | 19億6200万 | -489億3300万 | 74億700万 | 894億9800万 | 6575億400万 | 予:7100億 |
こちらは経常利益の推移を表すグラフと表になる
のですが、2021年には894億9800万だった
経常利益が2022年には6575億400万と大幅に
増加していることがわかります。
パイセン
2022年経常利益の内、6409億
9200万は持分法適用関連会社である「OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.」によるものです!
「OCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.」(ONE)とは「日本郵船」・「商船三井」・「川崎汽船」3社のコンテナ定期船事業部門をスピンアウトして作られた会社です。
つまり、経常利益の大半はONEによるものだと言うことがわかります。
パイセン
営業外利益とは「利息」や株式の
「売買益」が該当するね!
3.4.純利益の推移
2010年3月 | 2011年3月 | 2012年3月 | 2013年3月 | 2014年3月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3年 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 |
-687億2100万 | 306億300万 | -413億5100万 | 106億6900万 | 166億4200万 | 268億1800万 | -514億9900万 | -1394億7800万 | 103億8400万 | -1111億8800万 | 52億6900万 | 1086億9500万 | 6424億2400万 | 予:7000億 |
こちらは純利益を表すグラフと表になるのですが
2020年から徐々に純利益が伸びて2022年には過去10年間で最高の6424億2400万の売り上げを出しています。
こちらもONEの業績が好調であることが要因となります。
このままコンテナ船が好調であれば2023年も7000億円の純利益が見込めます。
パイセン
純利益を増やすことで会社に残る
お金が増え、「自社株買い」や
「配当金」として株主に還元する
ことが出来ます!
4.川崎汽船の株価指標
次に川崎汽船の株価指標の推移について解説して
いきます。
解説する株価指標は以下の4つ。
- PER(株価から割安度を図る指標)
- PBR(純資産から割安度を図る指標)
- EPS(企業の成長性を図る指標)
- BPS(企業の安定性を図る指標)
それではまずPERの推移から解説していきます。
4.1.川崎汽船のPER推移
直近10年間のPER推移はこちらになります。
こちらは2014〜2022年現在まで過去10年間のPER推移となるのですが、赤字を計上した年は3回あり、乱高下が激しいことがわかります。
12/8時点のPERは1.01倍と割安基準の15倍より低水準ですが、海運株自体がハイリスクであるため、全体的に割安となっています。
日本郵船 | 商船三井 | 川崎汽船 |
1.5倍 | 1.49倍 | 1.01倍 |
パイセン
また、直近3年のPER下落はEPSが
増加したことが要因となっています!
4.2.川崎汽船のPBR推移
直近10年間のPBR推移はこちらになります。
こちらは2014〜2022年現在まで過去10年間のPBR推移となるのですが、乱高下が激しく全体的に見ると右肩下がりで推移しています。
計算式から右肩下がりの要因は以下の二つです。
- 株価の下落
- 1株あたり純資産(BPS)の増加
先程の5年週足チャートを見ると株価は右肩上がりで成長している為、PBR減少の要因は②1株あたり純資産(BPS)が増加が要因となっています。
4.3.川崎汽船のEPS推移
直近10年間のEPS推移はこちらになります。
こちらは2014〜2022年現在まで過去10年間のEPS推移となるのですが、こちらもPER同様にマイナスとプラスの乱高下が激しいことが特徴です。
しかし、ここ数年はプラスを維持しつつ右肩上がりで成長していることがわかります。
計算式からEPSが増加する要因は以下の二つです。
- 当期純利益の増加
- 発行済株式総数の減少
川崎汽船は大規模な自社株買いをしていない為、考えられる要因は①当期純利益の増加です。
パイセン
先程の純利益の推移グラフを見て
EPSと相関があることがわかるね!
自社株買い金額 | |
2014年3月 | 1900万円 |
2015年3月 | 1億6000万円 |
2016年3月 | 600万円 |
2017年3月 | 600万円 |
2018年3月 | 13億100万円 |
2019年3月 | 100万円 |
2020年3月 | 100万円 |
2021年3月 | 100万円 |
2022年3月 | 400万円 |
EPSは企業の成長性を図る大事な指標なので必ずチェックしておきましょう。
4.4.川崎汽船のBPS推移
直近10年間のBPS推移はこちらになります。
こちらは2014〜2022年現在まで過去10年間のBPS推移となるのですが、2020年に361.29円だったBPSが2022年9月には5407.58円となっています。
計算式からBPSが増えた要因は以下の2つであることがわかります。
- 純資産の増加
- 発行済株式総数の減少
先程の表から自社株買いは少ない為、BPS増加の要因は①純資産の増加です。
BPSが増加するほど純資産が増えて企業としても安定する為、EPS同様に大事な指標となります。
5.川崎汽船の配当について
次に川崎汽船の配当についてですが、以下の
3項目について解説していきます。
- 配当金の推移
- 配当利回りの推移
- 配当性向の推移
5.1.配当金の推移
川崎汽船の直近10年間の配当金推移はこちらに
なります。
年別 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
配当金 | 15円 | 28円 | 17円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 200円 | 予:300円 |
2017年〜2021年の5年間無配が続き、2022年に200円の大幅な増配(復配)をしています。
大幅増配なら投資する
価値があるってこと?
パイセン
こちらの増配は業績好調によるもの
なので長期目線で見ると続かない公算
が高いです!
海運株は地政学的リスクが非常に大きい為、無配も視野に入れて投資していきましょう。
2023年の配当金額と権利確定日
第2四半期決算短信から2023年の中間配当は1株あたり300円、期末配当は100円の予想となっています。
配当金額 | 権利付き最終日 | 権利落ち日 | 権利確定日 | |
期末配当 | 100円(予想) | 2023/3/29 | 2023/3/30 | 2023/3/31 |
中間配当 | 300円 | 2022/9/28 | 2022/9/29 | 2022/9/30 |
パイセン
中間配当の権利確定日は終わっているので次の権利確定日は期末配当の2023/3/29になります。
株主優待は無い為、配当が受け取りたい方は2023/3/29に川崎汽船の株を保有して
おきましょう。
5.2.配当利回りの推移
直近10年間の配当利回り推移はこちらに
なります。
年別 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
配当利回り | 2.02% | 2.63% | 2.29% | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | 7.48% |
2014年〜2016年には2%台で推移していた配当利回りが2022年には7.48%になっています。
配当利回りの計算式はこちらになります。
計算式から配当利回りが急激に上昇する要因は以下の2つです。
- 配当金の増配
- 株価の下落
5年週足チャート見る限り株価の下落はない為、要因は①配当金の増配と言うことがわかります。
それにしてもかなり高い
配当利回りだね〜
パイセン
高い利回りですが、無配と
なれば0%になるので配当金
が欲しい方は他の銘柄にも
分散投資しておきましょう!
長期の高配当投資をしたい方は21期連続増配予定の「KDDI」がおすすめです。
「KDDI」は連続増配かつ優待+配当の総利回りが3.87%の高配当と人気の銘柄となっています。
>>>【権利確定日いつ?】配当と株主優待が魅力的なKDDI(9433)の最新情報を徹底分析!買うべきか?
5.3.配当性向の推移
直近10年間の配当性向推移はこちらに
なります。
年別 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
配当利回り | 25.4% | 29.7% | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | 0% | 8.7% |
2014〜2015の間では20%後半で推移していましたが、2022年では8.7%と低水準であることがわかります。
配当性向って何??
配当性向の計算式は以下の2通りから求めることが出来ます。
計算式から配当性向が低水準である要因は以下の一つです。
利益に対して配当の支払いが少ない
その為、配当性向は8.7%と低水準にあります。
パイセン
配当性向の目安は20%〜30%
である為、無理なく配当金を
支払っていることがわかります!
6.川崎汽船の株式分割について
川崎汽船は2022年10月1日付けで普通株式を1株→3株に分割しました。
パイセン
ここからは株式分割について
Q&A形式で解説していきます!
Q.株式分割するとどうなるの?
A.川崎汽船は今回1:3での株式分割を行ったため
発行済み株式数が3倍に増えます。
発行済み株式数が3倍に増えましたが、資本金
は変わらないため、理論上株価は1/3の価格に
なります。
パイセン
ケーキを4等分にしてもケーキ自体
の量は増えないよね!
株式分割をすることで株価は1/3になりましたが保有数が増える為、トータル金額は変わりません。
また、株式分割を行うことで「株価が下がって買いやすくなる」、「発行済み株式数が増えて流動性が高まる」などのメリットがあります。
Q.株式分割後の配当はどうなる?
A.基本的には株価と同じように下がります
今回は1:3での株式分割の為、配当金も1/3に
なります。
Q.株式分割はいつ?
A.2022年10月1日付けで株式分割が実施
されました。
その為、2023年1株あたりの配当金額は1/3になります。
7.川崎汽船の今後について
海運株の先行きを見る重要な指標として
- 「バルチック海運指数」
- 「中国輸出コンテナ運賃指数」
というものがあります。
こちらは「バルチック海運指数」と「中国輸出コンテナ運賃指数」のチャートになるのですが、どちらとも2021年10月から右肩下がりで推移しています。
また、バルチック海運指数は2021/10/8に
5526を頭打ちしてから2022/12/9現在は
1386と4140ポイント下落しています。
パイセン
このことから海運株の先行きは
暗いことがわかります。
業績が不調になれば当然「株価の下落」や「配当の減配もしくは無配」が起きる可能性が高いです。
なので、川崎汽船の1銘柄に集中するのでは無く
その他の銘柄・セクター等に分散投資してリスク
ヘッジしておきましょう。
8.川崎汽船は買いなのか?
個人的には
しばらく様子見
したほうが良いです。
パイセン
様子見をする根拠は以下の3つ!
高配当株投資の方はもちろん、売却益を狙う方も非常に高いリスクを背負うことになるので投資する際は自身のリスク許容度内で投資していきましょう。
9.まとめ
今回は6年ぶりに配当が復活した川崎汽船(9107)について解説しました。
個人的な意見は様子見ですが、川崎汽船に投資したい方はポートフォリオの1〜10%以内での投資がおすすめです。
1〜10%以内で投資する際は1株から投資出来る
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