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- JT(2914)とは
- 株価・配当について
- 最新の決算・株価指標の推移
- 株価はどこまで下がる？今後の見通し
- JT(2914)に投資するべきか
パイセン
今回は日本でタバコの製造・販売を行っている『JT(日本たばこ産業)』(2914)について解説していきます。
以降、日本たばこ産業はJTと表記します。
- 『JT(日本たばこ産業)』(2914)は主にタバコの製造・販売を行う加工食品会社
- 株価はESGの観点から海外機関投資家が手放して2020年まで下落傾向だったが、国内個人投資家が買い向かって3000円台まで回復
- 過去10年間の配当は増配傾向にあるが、2021年に減配し、その後増配して2023年配当は188円を維持
- 配当性向は株主還元方針の75%(±5)の範囲で推移
- 株価指標はROE・ROAが減少傾向だが、全業種を見ると高め
- PER・PBRは過去10年の平均と比較すると割安水準
- 業績の見通しは楽観視が出来ないものの、一定の利益は見込める為、「買い」と判断
JT(2914)の株価はどこまで下がる？
JT(2914)の今後の見通しは？
上記のような疑問を解決できる記事になっています。
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パイセン
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1.JT(2914)とは
JT(2914)とは、タバコの製造・販売や医薬品・加工食品などを販売する日本の食料品会社です。
タバコの主な銘柄には「メビウス」「セブンスター」、加熱式たばこには「プルーム・テック」などがあります。
| 事業内容 | タバコ・医薬品・加工食品 などの製造・販売 |
| 資本金 | 1,000億円 （2023年3月24日末現在） |
| 発行済株式の総数 | 2,000,000,000株 （2023年6月30日末現在） |
| 所在地 | 東京都港区⻁ノ⾨4-1-1 |
JTはタバコの会社で有名だね！
パイセン
JTはタバコ以外にも医薬品・加工食品の事業も展開しています！
2.JT(2914)の株価推移(チャート)
| 株価 | 3254円 |
| 配当利回り | 5.78% |
こちらはJTの10年月足チャートになるのですが、2020年に2000円台まで下落して現在は3000円台まで回復しています。
なんで2015年〜2016年には4500円を超えていたのにそれ以降減少傾向が続いて2000円台まで株価は下落したの？
パイセン
株価が下落した理由は海外機関投資家の売却によるものです！
株価が下落している理由
先程記述しましたが、株価が下落している理由は海外機関投資家の売却によるものです。
以下のデータを参照
株式保有者の割合：JT 有価証券報告書より
こちらはJTの有価証券報告書のデータから作成した過去7年間の株式保有者の割合を表したグラフになります。
グラフを見ると株価が4500円台だった2016年から2000円台まで下落した2020年にかけて海外機関投資家の保有割合が右肩下がりで推移していることが分かります。
なんで海外機関投資家はJTの株を手放しているの？
パイセン
それはESG投資の観点から「たばこ」「化石燃料」は逆風にある為です！
E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)の頭文字の単語を繋げたもので、2006年には国連が提唱したPRI（国連責任投資原則）と言う機関投資家は投資原則として「ESGの視点を取り入れること」とされています。
JTの中核事業は「たばこ産業」である為、ESGの視点から海外機関投資家が徐々に手放していったと考えられます。
株価はどこまで下がるのか
2016年から下落傾向にあるJTの株価はどこまで下がるの？
パイセン
2020年で株価は底打ちしましたが、今後は「配当金」の増減によって株価は大きく動くことが予想されます！
先程の株式保有割合のグラフを見ると国内・海外の機関投資家が手放しているのに対して買い向かっているのは「国内の個人投資家」です。
国内個人投資家がJTに投資する理由は「高利回り・高配当」です。
つまり、「高利回り・高配当」の魅力が無くなれば国内個人投資家が手放す為、株価は大きく下落します。
MOとの比較チャート
| JT(青) | MO(黄) | |
|---|---|---|
| 株価 | 3254円 | 6439円 |
| 配当利回り | 5.78% | 9.01% |
| 株価リターン | 9.8% | -29.56% |
こちらは米国でたばこの製造・販売を行っているアルトリア・グループ(MO)の5年チャートと比較した表になるのですが、株価だけで見るとJTが9.8%のプラスとなっています。
3.JT(2914)の配当について
- 配当金の推移
- 配当利回りの推移
- 配当性向の推移
3.1.配当金の推移
以下のデータを参照
年間配当金額：JT 決算短信より
こちらは2013年〜2023年過去10年間の配当金の推移グラフになるのですが、2015年以降増配・維持していましたが、2021年に減配していることがわかります。
減配しても配当金の水準はかなり高いね！
パイセン
その後、2022年には48円増配しており、2023年は188円を維持しています！
2014年の配当が多いのは国内・海外事業の決算期の合算によるものです。
100株でいくらもらえるのか
JTを100株保有するとどのくらい配当金が貰えるの？
パイセン
100株保有すると税引き前で18,800円を受け取ることが出来ます！
JTの株主還元方針として配当性向75%(±5%)を掲げているので2024年の配当もその辺りの水準で支払われることが予想されます。
いつ入金されるのか
配当金はいつ入金されるの？
パイセン
中間配当は「9月上旬」、期末配当は3月下旬に支払われる予定となっています！
今年の中間配当は8/30に入金されたので期末配当も比較的早めの入金になるのかと思います。
配当金の権利落ち日・権利確定日
配当金っていつまでに保有しておけば配当が貰えるの？
パイセン
中間配当は6/28、期末配当は12/27まで保有しておけば配当金を受け取ることが出来ます！
| 権利付き最終日 | 権利落ち日 | 権利確定日 |
|---|---|---|
| 2023/6/28 | 2023/6/29 | 2023/6/30 |
| 2023/12/27 | 2023/12/28 | 2023/12/29 |
| この日までに 保有しておけば 配当金が貰える | この日に売却して も配当は貰える | 株主としての権利 が確定する日 |
配当金を受け取りたい方は権利付き最終日までに株を保有しておきましょう。
3.2.配当利回りの推移
以下のデータより算出
年間配当金額：JT 決算短信より
各年の株価：Yahoo Financeより
こちらは2013年〜2023年過去10年間の配当利回りの推移グラフになるのですが、2020年までは右肩上がりでしたが2021年に6.03%まで下落して現在の配当利回りは5.93%になっています。
2021年に何で配当利回りは下がったの？
パイセン
2021年に配当利回りが下がったのは減配した為です！
その後増配しているのにこの年配当利回りが減少傾向にあるのは株価の上昇によるものです。
| 23/9/8時点の 配当利回り | 5.78% |
| 過去10年間の 平均配当利回り | 4.87% |
| 買い時の 配当利回り | 5.0% |
また、こちらの表を見ると過去10年間の配当利回り平均は4.87%なので現在の配当利回り5%超えはかなり高い水準にあります。
3.3.配当性向の推移
以下のデータより算出
年間配当金額・EPS（1株当たり利益）：JT 決算短信より
こちらは2013年〜2023年過去10年間の配当性向になるのですが、配当性向は増加傾向にあり、直近2年は75%付近で推移していることがわかります。
75%ってJTの株主還元方針に記載されていた数値だったよね？
パイセン
そうです！2024年の配当性向も業績が予想以上に悪くならない限り75%(±5)の範囲内に収まると思います！
4.JT(2914)の株価指標
- EPS(企業の成長性を図る指標)
- PER(株価から割安度を図る指標)
- BPS(企業の財務安定性を図る指標)
- PBR(純資産から割安度を図る指標)
- ROE(企業が自己資本に対してどれだけの当期純利益を上げているのかを表す指標)
- ROA(総資産に対してどれだけの当期純利益を上げているのかの指標)
パイセン
今から6つの株価指標について
解説していきます！
EPSの推移
以下のデータを参照
EPS（1株当たり利益）：JT 決算短信より
こちらは2013年〜2023年過去10年間のEPSの推移グラフになるのですが、2015年から減少傾向だったEPSは2020年から増加していき、249円台まで回復していることが分かります。
この調子だったらまだまだ上昇しそうだね！
パイセン
直近の決算(第二四半期)はJTタバコの値上げ・円安・医薬品事業が追い風となり、企業業績は好調です！
JTの売上の大半はタバコ事業である為、タバコの販売量・売上量などに今後注視していきましょう。
PERの推移
以下のデータから算出
各年の株価：Yahoo Financeより
EPS（1株当たり利益）：JT 決算短信より
こちらは2013年〜2023年過去10年間のPERの推移グラフになるのですが、2017年までは16倍の水準で横ばいでしたが、以降は12倍を横ばいで推移しています。
何で12倍水準まで下がったの？
パイセン
主な要因は株価の下落です！
その後も12倍水準で横ばいしているのは株価も下落に合わせてEPSも減少している為です。
| 10年の最大値 | 17.46倍 |
| 10年の最低値 | 10.67倍 |
| 10年の平均値 | 15.53倍 |
| 割高基準 | 15倍以上 |
| 割安基準 | 15倍以下 |
JTの過去10年の平均PERは15.53倍なので現在のPERは割安水準にあることが分かります。
また、日経平均株価やプライム全銘柄と比較しても割安な水準にあります。
| 23/9/8時点 | JT | 日経平均 | プライム全銘柄 |
| PER | 12.58倍 | 15.55倍 | 16.53倍 |
BPSの推移
以下のデータを参照
BPS（1株当たり純資産）：JT 決算短信より
こちらは2013年〜2023年過去10年間のBPSの推移グラフになるのですが、グラフを見ると右肩上がりで増加していることが分かります。
BPSは何で増加傾向なの？
パイセン
BPSが増加する要因は主に2つで「自社株買い」と「純資産の増加」です。しかし、過去10年で積極的な自社株買いをしていないことを踏まえるとBPSが増加しているのは「純資産が増加している為」です！
BPSが増加しているということは財務の安定性が高まっていることを示しています。
PBRの推移
以下のデータから算出
各年の株価：Yahoo Financeより
BPS（1株当たり純資産）：JT 決算短信より
こちらは2013年〜2023年過去10年間のPBRの推移グラフになるのですが、PBRのグラフは減少傾向にあることが分かります。
PBRは何で減少傾向なの？
パイセン
BPSが増加傾向にあることを踏まえるとPBRが減少している要因は「株価の下落」です！
| 10年の最大値 | 3.32倍 |
| 10年の最低値 | 1.33倍 |
| 10年の平均値 | 2.11倍 |
| 割高基準 | 1.0倍以上 |
| 割安基準 | 1.0倍以下 |
現在のPBRは1.45倍と過去平均2.11倍よりは低いものの、割安基準の1倍よりは高いです。
過去平均と比較すると割安水準にあることがわかります。
ROEの推移
以下のデータから算出
純利益・純資産：JT 決算短信より
こちらは2013年〜2023年過去10年間のROEの推移グラフになるのですが、ROEは右肩下がりで推移していることがわかります。
ROEは右肩下がりで推移してるんだね・・・
パイセン
ROEは「どれだけ効率よくお金を稼いでいるか」という指標なので、株主資本の効率が落ちていることがわかります！
しかし、下のグラフを見ると2022年の全業種のROE平均値は-1.9%で中央値は7.5%とJTのROEは高めであることがわかります。
ROAの推移
以下のデータから算出
純利益・総資産：JT 決算短信より
こちらは2013年〜2023年過去10年間のROAの推移グラフになるのですが、こちらもROE同様に右肩下がりで推移しています。
ROAも減少傾向なんだね・・・
パイセン
しかし、ROAも全業種と比較したときに平均値・中央値共に上回っていることが下のグラフからわかります！
5.JT(2914)の企業業績
こちらはJT(2914)過去10年の「営業収益」・「営業利益」・「経常利益」・「純利益」の推移グラフになります。
グラフを見ると「営業収益」は増加傾向にあり、2022年の純利益は4427億円と2015年に次ぐ利益を出しています。
JTの業績って今後どうなっていくのかな？
パイセン
JTの業績は楽観視出来ないものの、安定した利益は生み出せると思います！
6.JT(2914)今後の見通し(将来性)について
JTの今後の見通しについてですが、個人的な見解として「楽観視は出来ないものの、安定した利益は生み出せる」と思います。
安定した利益を生み出せる理由は以下の3つです。
- 参入障壁が高い
- 国内のたばこ製造を独占している
- タバコの依存性が高く、一定の顧客は値上がりしても買うから
JTのビジネスモデルは参入障壁が高く、また日本国内のタバコ製造・販売を独占している形になります。
またタバコは依存性が高く、値上げしても顧客が離れにくい為、一定の利益は見込めます。
JTのビジネスモデルは他の企業との差別化が出来ていて優位な状態なんだね！
パイセン
しかし、ESGの観点から不利な状況である為、投資している方は楽観視せずに今後の業績・動向を一緒にチェックしていきましょう！
7.まとめ
今回は主にタバコの製造・販売を行う『JT(日本たばこ産業)』(2914)について解説しました。
- 『JT(日本たばこ産業)』(2914)は主にタバコの製造・販売を行う加工食品会社
- 株価はESGの観点から海外機関投資家が手放して2020年まで下落傾向だったが、国内個人投資家が買い向かって3000円台まで回復
- 過去10年間の配当は増配傾向にあるが、2021年に減配し、その後増配して2023年配当は188円を維持
- 配当性向は株主還元方針の75%(±5)の範囲で推移
- 株価指標はROE・ROAが減少傾向だが、全業種を見ると高め
- PER・PBRは過去10年の平均と比較すると割安水準
- 業績の見通しは楽観視が出来ないものの、一定の利益は見込める為、「買い」と判断
パイセン
以上、この記事が『JT(日本たばこ産業)』(2914)に投資する際の参考になれば嬉しいです！
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