4.ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の株価指標
- EPS(企業の成長性を図る指標)
- PER(株価から割安度を図る指標)
- BPS(企業の財務安定性を図る指標)
- PBR(純資産から割安度を図る指標)
- ROE(企業が自己資本に対してどれだけの当期純利益を上げているのかを表す指標)
- ROA(総資産に対してどれだけの当期純利益を上げているのかの指標)
パイセン
今から6つの株価指標について解説していきます！
4.1.EPSの推移
以下のデータから算出
EPS(一株あたり利益)：Form10-Kより
こちらは2013年〜2023年過去10年間のEPS推移グラフになります。
2022年のEPSは6.73ドルと2021年の7.81ドルには及ばないものの、業績は好調であることが分かります。
何で2022年は2021年より減ってるの？
それはコロナワクチンの売上が減少傾向にある為です！
JNJのワクチンは安全性の観点から接種需要が低迷しており、それに伴って売上も減少しています。
しかし、依然として高EPSであることは変わりない為、業績は安定していると言えます。
4.2.PERの推移
以下のデータから算出
各年の年末株価：Yahoo Financeより
EPS：Form10-Kより
こちらは2013年〜2023年過去10年間のPER推移グラフになります。
グラフを見ると2017年を除くと概ね24倍前後を推移していることが分かります。
24倍前後のPERは割安なの？
過去平均PERが19.49倍であることから24倍前後は割高な水準であることがわかります！
| 10年の最大値 | 250.96倍 |
| 10年の最低値 | 13.88倍 |
| 10年の平均値 | 19.49倍 |
| 割高基準 | 20倍以上 |
| 割安基準 | 20倍以下 |
2024/1/5時点の予想PERは30.23倍である為、PERの観点からは割高水準とわかります。
4.3.BPSの推移
以下のデータから算出
純資産・発行株式総数：Form10-Kより
こちらは2013年〜2023年過去10年間のBPS推移グラフになります。
グラフを見ると2017年には少し減少したものの、そこからは増加傾向にあることがわかります。
JNJのグラフ見ると2017年の業績が悪いみたいだけど何かあったの？
2017年の業績が悪化した理由は税制改革によって多額の費用を計上した為です！
つまり業績悪化は一時的な要因である為、2017年の株価はさほど下落していないことが分かります。
4.4.PBRの推移
以下のデータから算出
各年の株価：Yahoo Financeより
BPS（1株当たり純資産）：Form10-Kより
こちらは2013年〜2023年過去10年間のPBR推移グラフになります。
グラフを見ると2019年から減少傾向にあることが分かります。
PBRは割安？割高？
2022年のPBRは1.54倍と過去最低水準であり、過去平均と比較しても割安水準にあることがわかります！
| 10年の最大値 | 3.38倍 |
| 10年の最低値 | 1.54倍 |
| 10年の平均値 | 2.37倍 |
| 割高基準 | 2.0倍以上 |
| 割安基準 | 1.5倍以下 |
4.5.ROEの推移
以下のデータから算出
純利益・純資産：Form10-Kより
こちらは2013年〜2023年過去10年間のROE推移グラフになります。
グラフを見ると2017年を除くと概ね20%以上を推移していることがわかります。
ROE20%超えは高い方なの？
2022年のABBVのROEは72.15%であった為、低いように感じますが、米国企業の平均ROEよりは高い水準です！
少し古いデータですが、2021年の米国平均ROEは18%である為、20%超えは平均を上回っているということがわかります。
4.6.ROAの推移
以下のデータから算出
純利益・総資産：Form10-Kより
こちらは2013年〜2023年過去10年間のROA推移グラフになります。
グラフを見ると直近5年間は概ね9%以上であることがわかります。
ROA9%以上は高い方なの？
2019年のROA平均は6.2%である為、9%を超えているのは十分高いと言えます！
5.ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の企業業績
こちらはジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)過去10年の「営業収益」・「営業利益」・「純利益」の推移グラフになります。
グラフを見ると「営業収益」は増加傾向であり、「営業利益」「純利益」は長期的に微増であることがわかります。
微増って業績は好調じゃないってこと？
爆発的な利益は見込めないものの、ブランド力が高く、安定した利益が見込める為、安定した配当を受け取ることが出来ます！
6.ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のスピンオフについて
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)はいつスピンオフしたの？
2023年5月に消費者向け製品部門がスピンオフして「ケンビュー（KVUE）」という会社で分離・上場しています！
目的は多角化によって企業価値が割安となる「コングロマリット・ディスカウント」を防ぐ為です。
今後は成長産業の「医療向け事業」はジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)に残り、「バンドエイド」などの「消費者向け事業」はケンビュー(KVUE)が行います。
スピンオフするとどうなる？
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)がスピンオフするとどうなるの？
スピンオフすると以下のようなメリットがあります！
- 元の会社(JNJ)は事業の中核事業に専念できる(専門性が高まる)
- 事業価値を下げずに事業を切り離せる
スピンオフによりJNJは「医療向け事業」に専念できる為、更なる利益拡大が期待出来ます。
JNJの今後に期待だね！
JNJのマイナス材料は今の所出尽くしている為、業績が今後市場予想を上回るのか注視していきましょう！
7.ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)今後の見通しについて
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の株価や配当の今後の見通しは？
長期的には株価は上昇、配当は更なる増配が期待できます！
理由は以下の2点です！
- 中核事業へ専念することで更なる利益増加が見込める
- 安定した利益、配当性向60%と配当支払の余力アリ
PER等から若干の割高感は伺えますが、配当利回りが3%を超えている点などを踏まえると長期的に見れば今が買い場だと思っています。
尚、この記事はあくまでデータに基づいた個人の見解である為、投資は最終的に自己判断で行うようにしましょう。
8.まとめ
今回は米国の大手製薬会社「ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)」について解説しました。
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)は乾癬治療薬「ステラーラ」や抗がん剤「ダラザレックス」などを主力製品とする米国の大手製薬会社
- 株価は2023年から下落傾向。理由はベビーパウダー発がんリスクの訴訟で和解金1兆円以上の支払いが生じたこと。配当は1株あたり4.63ドルと配当利回り3%を超えており、61年連続増配中
- EPSは2021年に比べて減少したものの、依然として高水準。BPSは増加傾向、PER・PBRは割高水準
- ROE・ROAは米国の平均と比較するとやや上回っている
- 2023年5月に消費者向け部門を「ケンビュー(KVUE)」として分離・上場。中核事業の専念で利益増の見込みアリ！
- 若干の割高感は伺えるが、配当利回り3%を超えていることを踏まえると長期的には「買い」だと判断
パイセン
以上、この記事がジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)に投資する際の参考になれば嬉しいです！
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